先日大阪へ行くのに電車に乗った。
ちょうど乗ったところの目の前の補助席が、
ひとつ空いていた。
奥側に若い女性が座っていた。
家人と一緒だったので、空いている席に座らせて、
私はその傍に立っていた。
すると、隣のその若い女性が、
「どうぞ、座ってください。」と言って、
席を譲ってくれるので、
「いえいえ、大丈夫ですから。」と言ったが、
その女性は席を立った。
「そんな年に見えるようになったのか。」と思いながらも、
二人で座ってしゃべられるように、と思ってのことかとも考えた。
向かいに立っていた彼女は神戸駅で降りようとしたので、
「どうもありがとう。」とお礼を言うと、
彼女は「いえ、とんでもないです。」と言って降りた。
関西では、まして若い女性が「とんでもないです。」
と言うのはあまり聞いたことがない。
咄嗟にそんな返事ができるのは、普段使ってないと出てこないだろうと思う。
きっといい育ち方をした人なんだと思った。
爽やかな優しさのあふれた人だった。
さて、大阪に着いてからバスに乗った。
早くに並んでいたので座席に座れた。
いくつか停留所を通過していくと、
だんだんと混み始めた。
すると、老婦人が横に来て立っているので、
「替わりましょう。」と言って私は席を立った。
するとそのご婦人は、とても驚いた顔をして、
「えっ!いいですいいです。」と断ったが、
席を替わった。
あとで考えると、同世代に思っておられたのかな。