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2006年 07月 12日
ブータン紀行(その10)
 早朝、ホテルにカンルンの大学の先生が入ってきた。
昨日会ったばかりなのにカンルンからやってきた。
たずねると今日のアーチェリー大会に出るのだそうだ。
 今日はフォーミーというところへゆく。昨日知事が招待してくれた。
アーチェリー大会があるのだ。
なぜアーチェリー大会があるのかというと、サクテンというところに
ダクパという民族が住んでいる。
かれらに知事がストーブをプレゼントするためにこの村に行くそうだ。
そしてこの村でアーチェリーの好きな人があつまってアーチェリー大会をおこなうのだ。
ダクパの人たちは、そのストーブをかついで自分たちの住んでいる
サクテンまで持って帰るのだ。
ダクパの人たちはあきらかにブータン人とはちがう。
女性はヤクの毛で編んだ黒い帽子をかぶっている。
帽子の端から3本ほど枝のように先がほそくなって垂れている。
髪の毛を編んでいるように見える。
雨が降ってもこの垂れ下がった枝をつたってながれるそうだ。
男性は黒いソフト帽だ。靴は長靴。もちろんゴーもキラも着ていない。
ダクパの民族服だ。男性は一見半ズボンのように見える。
上着はたぶんヤクの毛で編んだものだろう、
みんな腰ぐらいまでの長さの赤い上着を着ている。
英語は話さなかった。顔つきはモンゴロイドだ。
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 知事、奥さん、娘さん、息子さん、裁判長と同じテントでアーチェリー見物をする。
プロフェッサーもアーチェリーをやっている。知事も加わってアーチェリーをしている。
的と的のあいだは約150メートルほどあるらしい。
わたしはむこうの的のある場所はわかるが、的の輪なんかは見えない。
もちろん飛んでいる矢なんか全然見えない。それをかれらは当てるのだ。
当てた人は腰に当てた数だけ色つきの布をつけている。
当たるたびに、はやしたてて踊っている。
はなれたところでは、わかい女性たちがトンサで
わたしたちがおどったのと同じような踊りを踊っている。
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 休憩時間になった。アラのふるまい酒がある。
テントのまえに大きな洗面器が用意された。
村人がそれぞれビンに自分たちでつくったアラを入れて持ってきた。
洗面器のまわりにおいていく。
係りの人が集まったアラを大きな洗面器に入れはじめた。
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洗面器にいっぱいになったアラをまえに、まず僧が祈りをあげる。
そのあと集まった村人に酒をふるまう。
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 皆ふところに飲む器を持っているが、なかには持っていない人もいる。
持っていない人は器をかりて飲んでいる。うまそうに一気に飲みほす。
なかには赤ちゃんにも口にふくませている。
 テントのなかにひとり離れて老人がすわっていた。
知事が酒をやるように指示している。老人の着ているゴーは汚れてドロドロ。
目も悪そうだ。知事の娘さんがアラを持ってゆくと
入れ物がないらしく、手を横にふっている。
若い知事の部下が自分のふところから器を出して渡すと
それに注いでもらってうまそうに一気に飲みほした。
そのあとドロドロの袖口で器をふいて返していた。
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 昨日のオランダの婦人がやってきた。
話を聞くと男の人は息子だという。
水の調査にきているらしい。いまフィールドワークに出ているらしい。
4回目のブータンだという。息子についてきたらしい。なかなか活発な婦人だ。
 こうしてわたしたちのタシガンへの旅行は半分おわった。
帰りはみんな疲れていた。しゃべるのもすくない。ひたすら眠って帰った。

by seascape_point5 | 2006-07-12 22:35 | ブータン


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